HAKUSUI COLUMN

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実はスゴイ、筑豊の世界記憶遺産

既にハクスイブログで筑豊の炭鉱王「伊藤伝衛門」旧邸が紹介されていますが、今回は炭鉱で栄えた時代の「記憶」がどんなものであったかを、是非ご紹介させてください。

記憶には、色々な情報が存在します。
実は、福岡県筑豊には日本で初めて「世界記憶遺産」として登録された炭鉱記憶があります。

その前に、筑豊の炭鉱豆知識(石炭記念館より)を。
①筑豊炭田は、福岡県の北九州市、中間市、直方市、飯塚市、田川市、山田市と遠賀郡、鞍手郡、嘉穂郡および田川郡の6市4郡にまたがる日本でも主要な石炭の産地でした。
②石炭の発見は1469年(文明元年)に福岡県の三池郡稲荷山にて「燃える石」としてはじめて発見された。
③福岡藩による筑豊炭田の開発は、1700年のはじめころから遠賀、嘉穂、穂波の4郡における石炭の生産状況を調べ採掘がはじまる。
④石炭の輸送は、その殆どが遠賀川を利用し、かわひらた、あるいは五平太船と呼ばれる石炭船で芦屋や若松に運び、ここで大型船に積替え各地方へ輸送していた。

話せば、切りがないので「福岡の世界記憶遺産」に戻ります。
まず「世界記憶遺産」とは、歴史的に貴重な史料を登録・保護し、後世に伝えることを目的としたユネスコの保存事業です。これまでに「アンネの日記」や「グリム童話原稿」などが登録されているようです。ちなみにユネスコの世界遺産と言えば、建造物や自然が対象の「世界遺産」、慣習や伝統、儀式などが対象の「世界無形文化遺産」がありますね。

そして「日本初の世界記憶遺産」として、2011年炭鉱絵師山本作兵衛さん(1892~1984)の、炭鉱の生活や人情を描いた絵画、日記、雑記帳や原版等計697点が登録されました。作兵衛さんは実際に筑豊の炭鉱で50年間働かれていた方です。

筑豊にはなんと、宮若市、直方市、田川市などに石炭記念館が3ヶ所もあり、地域ごとに特徴的な展示があります。山本作兵衛さんの作品は田川市石炭記念館にて展示されています。わたしの地元にある直方市石炭記念館は、小さい頃から学校課外授業や子供たちと一緒に見学した思い出の場所でもあります。

山本作兵衛さんの世界記憶遺産をご覧になるとともに、これらの記念館を廻って、様々な「記憶」に触れてみてはいかがでしょうか。

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