人、旅、本

人。
友からいろいろなことを学ぶ。聞いたり、見たり、一緒に遊んだり、一緒に仕事をしたり。
親からいろいろなことを学ぶ。しつけられたり、怒られたり、褒められたり、一緒に楽しんだり、悲しんだり、時には反面教師だったり。
他人からいろいろなことを学ぶ。電車で前に座った人から、レストランの店員さんから、ユーチューブでみた学者さんから、公園で遊んでいる子供から。
人からは学ぶことが多い。
一人だけの世界だと、狭い洗面器の中で泳ぐ金魚みたい。

旅。
旅からいろいろなことを学ぶ。
日本国内を旅していると、その文化、人々の違い、生き方、美しい風景、自然。
海外を旅していると、考え方の違い、雰囲気の違い、多様性、人間性、食事、習慣、歴史、経済、環境。
宇宙を旅してみると(笑)、その大きさ、未知、不思議、感動、人知を超えたなにか。
街を旅してみると、すれ違う人々、お店に並ぶ商品、散歩している犬。
旅からは学ぶことが多い。
一日本人としての固定観念がいかに狭いかを教えてくれる。

本。
古典文学や小説からは、自分が経験できない世界を疑似体験することができる。
歴史からは、時代の大きな流れを感じることができ、視野を広げてくれる。
哲学書や社会学の本からは、自分だけでは思いつくこともできないテーマを探求することができる。
技術書やテクニカルな本からは、ほかの人が時間をかけて習得したものを数時間で得ることができる。
本からは学ぶことが多い。
経験が人にとってもっとも価値観の構成に役割を果たすとすれば、本は疑似的にその経験を与えてくれる。

人、旅、本。

結構な人が友達と交流するのを好む。
多くの人が一人旅、家族旅行を楽しむ。
相当数の人が、本や漫画を読み、活字を目で追う。

なんだ。普通のことをしていればいいのか。
あとはそこから何を感じるか。

暑い日差しも身体で感じながら。

ツクツクボウシ拝