脚下照顧
心地よい肌寒さ。
高いところに雲。
鳥の声が響き、そして静けさが染み渡る。
秋。
バカにされたくない。
「こんなことも知らないの?」
と言われている気がする。
バカにされたくないのだけど、自分にはできない。
実力があることを見せたい。
「凄い!さすがだなあ!」
と言われたい。
実力があることを見せたいのだけれど、やればやるほど認められない気がする。
周りがバカのように見える。
「それじゃダメだろう」
と思うことがある。
しっかりした仕事をするためには、
もっと周りの人が能力を高めなくてはと思うのに、そんなことは一生起こらない。
正しいことが大切。
「どう考えても私が言っていることが正しい」
と感じる。
しかし私の正論は通らない。
正論が通らないのだから、私が間違っているのではなく周りがおかしい。けど通らない。
人間には思い込みがある。
人間には自分を見つめることがなかなかできない。
人間には虚栄心がある。
人間には認められたい欲求がある。
人間には不安がある。
人間には弱いところがある。
人間には欠けているところがある。
人間は3つの執着によって苦しむ。
求めるものを得たいという執着(だが叶わない)
手にしたものがいつまでも続くようにという執着(やがて必ず失われる)
苦痛となっている物事をなくしたいという執着(だが思い通りにはなくならない)
「脚下照顧」で生きる。私はそうありたい。
ツクツクボウシ拝