受け止める
日本では寒波到来。交通機関の混乱はもちろん、人命にかかわる報道もなされている。こんなに長く生きているのに。こんなに長期間、人類は地球に存在しているのに。自然には勝てない。すべての事象に対して準備はできない。
自然災害で人が亡くなることを、是として受け入れることはできない。
交通事故で人が亡くなることを、是として受け入れることはできない。
病気で人が亡くなることを、是として受け入れることはできない。
お年寄りが老衰でお亡くなりになることすら、死である以上、家族である以上、是として受け入れることはできない。
どんな理由であれ、家族・友人・仲間を亡くすということを、是として受け入れることはない。
できることなら、
自然災害が防げるように
交通事故が起こらないように
病気が治るように
少しでも長く生きられるように
していくよう、社会を変え、知見を高めていくことに、みな反対はしないであろう。
しかし、人間に死はおとずれる。世の中には正しいことは限りなく少ないけれど、命ある生命は必ず死ぬ、ということはきっと正しい。
すなわち、是として受け入れられないことを、私たちは経験していかなくてはならない。
死にかかわらず、私たちは「受け入れられない」事態に直面する。
友人と喧嘩をする。
収入が途絶える。
財布を盗まれる。
責任を追及される。
ケガをする。
どれもこれも、受け入れられない。それが深刻であればあるほど、受け入れられない。
しかし、事実は目の前にある。
悲しみ・・・怒り・・・無力感・・・後悔・・・
受け入れられないことだが、拒絶することも不可能。
受け入れられない事態を、受け止める。
受け入れられはしないのだが、受け止める。
何もできないのだが、受け止める。
言葉で言うのは簡単だが、受け止めることも簡単ではない。
時間をかけて、ゆっくりと、いつの日か、受け止めることが、できますように。
ツクツクボウシ拝