鏡
ビルの明かりが、地面を照らす。
頭の上には、桜色が広がっている。
すてきな季節・・・。
とても嫌な上司がいた。
どうしても納得できなかった。
理不尽だと思った。
転職した。
新たな職場を楽しみに入社した。
もちろん不安もあった。
やっぱり嫌な人がいた。
どこにでもいるんだろうな。
耐えられなくなった。
転職した。
しばらく家にいた。
ただ働かなくては。
職を探して就職した。
今度はいい会社かな?
ところがやはり上司が嫌な人だった。
納得できなかった・・・。
どこに行っても嫌な上司がいる、嫌な同僚がいる。
なぜ?どうして?
世の中にはどこにでもそういう人がいる?
そういうこと?
嫌な上司にも奥さんがいる。
嫌な上司にも子供がいる。
嫌な上司にも親友がいる。
嫌な上司にも仲のいい同僚がいる。
その人たちの眼鏡で見ると、嫌な上司は嫌な人ではないのかも。
自分が行くところ、行くところに、嫌な人がいる、というには、ただの自分の認知の問題?自分の鏡?
自分のかけている眼鏡は何色のサングラスなんだろう?
桜色のサングラスだったらどうなんだろう?
ツクツクボウシ拝