蝉が鳴く鳴く

ツクツクボウシの独り言

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許す。もっともっと。

日本人。
私は世界の中でもとても素晴らしい人たちが日本にいると感じている。
間違いなく。

日本在住のタイの人に言われた。
「タイでは電車に乗って座っていて、妊婦の方が来たりお年寄りが来たら、みんなすぐに席を譲ります。けど日本人はやらないですよね?」(そうか、日本人は席を譲る人種だと思っていたけど、最近はそうでもない、あるいは他国より譲らないんだ)

高校生くらいのとき。
東京のどこかの駅の長い階段でたぶん20代くらいのOLが結構派手に転んだ。
周りを歩いている人は、その人を避けて先を急いでいた。
誰も声もかけなかった。
コケた女性も恥ずかしそうにそそくさと立ち上がり、その場を去っていった。

コロナ禍でより耳にする。
毎日のように電車が止まる。
「人身事故のため、~駅と~駅間の運行を取りやめています。」と、アナウンスが流れる。
苦しんで生きている人たちがいる。

厳しい生活環境の人たちがいる。
子供の食事にも困っている人たちがいる。
その人たちをサポートするNPOが多数存在している。
しかし、そのNPOに寄付をしている人がどれくらいいるのだろう。
何にしろ非営利団体に寄付をしている人は、どれくらいいるのだろう。
どれくらい自分でボランティアをしている人がいるんだろう。
テレビを見て、あるいはテレビの中で、そしてネット上で、誰かの責任に対して文句を言っている人は目立つけどなあ。

もっと素直に生きてもいいんじゃないか。
もっと人を認めて生きてもいいんじゃないか。
もっと謙虚に生きてもいいんじゃないか。
もっと人に関心を持ってもいいんじゃないか。
もっと自由に生きてもいいんじゃないか。
もっと人に迷惑をかけて生きてもいいんじゃないか。
もっとルールを減らしてもいいんじゃないか。
もっと自分らしく生きてもいいんじゃないか。
もっと人を信じてもいいんじゃないか。
もっと人を許してもいいんじゃないか。
もっと自分を許してもいいんじゃないか。
もっともっと。もっともっと。

「大丈夫ですか?」
道を歩いている見知らぬ人がうずくまっている。
そこには声をかける人がいた。

日本人は言いがち。
「あ、大丈夫です。ちょっと休んでいれば・・・」

けど、本当は・・・
「助けてください・・・」と言える空気の社会であってほしい。
助けられる時もあれば助ける時もある、という当たり前のこと。
迷惑をかけないように、ではない。迷惑はかけてもいいから。それが普通だから。
自分も迷惑をかける。
そして人から迷惑をかけられたときにはちゃんと助けるようにすればいい。

ツクツクボウシ拝

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